等式変形と連立方程式を攻略!中学生向け定期テスト&入試対応 勉強法
等式変形と連立方程式を制す者が数学を制す!
中学数学の中でも、多くの生徒がつまずきやすい単元に「等式変形」や「連立方程式」があります。定期テストでも入試でも頻出であるにもかかわらず、符号ミスや式の処理ミスが原因で本来取れるはずの点数を落としてしまう生徒が少なくありません。
そもそも等式変形とは、「方程式の形を変えて、x=〇〇のように解を導くための基本的な計算テクニック」。しかしその途中で、分数の扱いやマイナスの計算で混乱してしまい、解けたはずの問題で失点してしまう…。そんな経験、あなたにもありませんか?
さらに、連立方程式になると「加減法と代入法の使い分けがわからない」「文章題になると手が止まる」という声もよく聞かれます。
これらの単元をしっかりと理解し、自分の力で確実に解けるようになるためには、ただ公式を覚えるだけでなく、ミスしない型を身につけることと、意味を理解した使い方の訓練が必要です。
この記事では、等式変形や連立方程式を攻略するために、
- ・つまずきやすい原因
- ・基本の解き方と整理法
- ・定期テストのミス対策
- ・入試を意識した応用練習
といったポイントを5章に分けて解説します。
計算力だけに頼らない、“考えて解ける数学力”をこの機会に一緒に育てていきましょう!
第1章:なぜつまずく?
等式変形が苦手になる原因とよくあるミス
よくあるつまずき①:=の左右をバラバラに見る
等式変形は「=の両辺のバランスを保ったまま変形する」ことが基本。しかし多くの生徒が、「右辺だけいじる」「左辺のxだけ動かす」といったミスをしてしまいます。
【例】
3x + 2 = 11
→ 2を移項して 3x = 11 + 2 ← ❌(符号が逆!)
【正解】
→ 3x = 11 – 2 → x = 3
→ 「移項時は“逆の符号”にする」ことを忘れずに。
よくあるつまずき②:分数や小数に抵抗がある
分母に文字がある式や、少数が混ざると急に手が止まる生徒が多くいます。
【例】
x / 3 = 4
→ かけ算で消すことが基本!
→ 両辺に3をかけて:x = 12
→ 分数は「両辺に分母をかける」、小数は「10倍・100倍して整数に直す」と覚えると処理しやすくなります。
よくあるつまずき③:符号のミス
移項時や分配法則の際に、符号(+/−)の扱いでミスするのも定番です。
【例】
-2(x – 3) = 6
→ 分配法則を正しく使わないと間違える
→ -2x + 6 = 6 → -2x = 0 → x = 0
→ 「−がついているときは、かける符号も一緒に意識する」クセをつけましょう。
よくあるつまずき④:移項後の整理ができない
移項して数字や文字が複雑になると、式をきれいに整理できず、間違った形で計算してしまうことも。
→ 1ステップずつ丁寧に整理すること、途中式を省略しないことが大切です。
等式変形が苦手な原因は、「式の構造を理解していないこと」「基本ルールがあいまいなこと」「計算の型が定着していないこと」にあります。この章で紹介した典型的なミスは、ほとんどの生徒が経験するポイントなので、自分がどこでつまずいているかを振り返ることから始めましょう。
次章では、等式変形をミスなく解くための「基本の型」と、正しい解き方の手順を解説します!
第2章:型で解く!
等式変形の基本ステップをマスターしよう
ステップ①:「=」のバランスを意識する
等式変形の最大のルールは、「=の両辺を同じ操作で処理すること」。この原則を守れば、どんなに複雑な式でも正しく解くことができます。
【例】
2x + 5 = 11
→ 両辺から5を引く:2x = 6
→ 両辺を2で割る:x = 3
→ 「同じ操作をする」という意識を常に持ちましょう。
ステップ②:移項は「反対の符号」に注意!
移項する際は「正→負」「負→正」に符号が変わることを忘れないでください。
【例】
x + 3 = 7 → x = 7 − 3 → x = 4
−2x + 5 = 9 → −2x = 9 − 5 → −2x = 4 → x = −2
→ 移項=「符号を変えて反対側へ持っていく」ルールを“型”として覚えましょう。
ステップ③:分数のある式は「両辺にかける」で一気に解消
【例】
x / 4 = 5 → 両辺に4をかける → x = 20
→ 分数があるときは「逆数でかける」または「分母を消すために両辺にかける」方法が基本です。
【例】
(2x + 3) / 5 = 4 → 両辺に5をかける → 2x + 3 = 20 → x = 8.5
ステップ④:式を整えてから変形する
複雑な式は、まず展開や整理をしてから変形するほうが安全です。
【例】
2(x + 3) − x = 9
→ 2x + 6 − x = 9
→ x + 6 = 9 → x = 3
→ 「まずは展開・整理、その後に移項」という手順を身につけましょう。
型化のメリットとは?
「ステップを固定して解く」ことで、毎回同じ手順で問題に取り組める=ミスが激減するという効果があります。
→ どんな問題にも応用できる“自分なりの解き方の型”を作っておくことで、本番でも安定した力を発揮できます。
等式変形の正解率を上げるためには、ルールの理解だけでなく、「解く手順=型」を体に覚え込ませることが何より効果的です。毎回バラバラな方法で解くのではなく、決まったステップで一貫して解く練習を重ねることで、自然と正答率が上がっていきます。
次章では、いよいよ連立方程式の具体的な解き方と、代入法・加減法の使い分け方を詳しく解説します!
第3章:連立方程式を攻略!
代入法と加減法の使い分けと正しい手順
連立方程式とは?
2つの式を同時に満たす「x と y の組み合わせ(解)」を求める問題です。
【例】
① x + y = 8
② x − y = 2
→ これらを同時に満たすxとyの値を見つけるのが連立方程式の目的です。
解き方①:代入法
片方の式からxまたはyを文字で表し、それをもう一方の式に代入して解きます。
【例】
① x = 8 − y
② x − y = 2
→ ①を②に代入:
(8 − y) − y = 2 → 8 − 2y = 2 → y = 3 → x = 5
【ポイント】
- 「x=」「y=」の形にしやすいときに使う
- 計算がやや長くなるので途中式を丁寧に
解き方②:加減法
2つの式を「足す」「引く」ことで、どちらかの文字を消して解く方法です。
【例】
① x + y = 8
② x − y = 2
→ ①+②:2x = 10 → x = 5 → y = 3
【ポイント】
- 同じ文字の係数が「同じ or 正負逆」になっているときに有効
- 式を何倍かして係数をそろえてから足し引きするケースも多い
使い分けのコツ
どちらかの文字がすでに1人でいる → 代入法
xとyの係数が同じ or 逆 → 加減法
式の構造がシンプル → 加減法が早い
計算量が少ない方を選ぶ → 柔軟に対応
どちらかに固定せず、問題の構造を見て最適な方法を選ぶ練習を!
よくあるミスと対策
- 代入のときに符号をミス → カッコを忘れずに
- 加減法で係数をそろえるミス → 倍数の確認を丁寧に
- 2文字の解を間違えて代入 → 解いたあとは必ず2つの式に代入して確認
連立方程式は「基本を丁寧に守る」ことと、「代入法と加減法を使い分ける判断力」が鍵となります。解き方を“丸暗記”するのではなく、「なぜこの方法が良いのか」「計算が簡単になるルートはどれか」と考える習慣を持つことが、得点力アップにつながります。
次章では、テストで差がつくミスのパターンと、その対策を具体的に紹介していきます!
第4章:ミス撲滅!
符号・分数・括弧でつまずかないためのルールと習慣
ミス①:符号(+/−)の処理ミス
【あるあるミス】
- 移項時に+を−に変え忘れる
- −をかけるとき、すべての項にかけ忘れる
- 2乗やマイナス同士の計算で混乱する
【対策法】
- 移項したら“符号チェック”を口に出す
- −をかけるときは「かっこで全体を囲む」のが鉄則
- 書き方は「−(x + 3) → −x − 3」など毎回徹底する
→ “符号の確認”は式を変形するたびに行う習慣を。
ミス②:分数の処理ミス
【あるあるミス】
- 分母をかけ忘れる
- 両辺にかけた後の約分ミス
- 分数のまま複雑な式に突入して混乱
【対策法】
- 「分母を消すなら最初に一気にかける」を徹底
- 約分は1回ごとに整理、焦って省略しない
- 分数のまま進めず、できるだけ整数に変える
→「両辺に分母をかける」が基本ルール!迷ったら整数に直す。
ミス③:括弧の展開ミス
【あるあるミス】
- マイナスの分配忘れ
- 係数が2つあると片方しかかけない
- 括弧の中の符号をそのまま引っ張ってしまう
【対策法】
- 分配はすべての項に「確実に」かける
- マイナスがあるときは必ず「−( )」で意識させる
- 一度展開したら元の式と見比べて確認する
→ 括弧を“開けた”ら、必ず「展開後に再チェック」する習慣を!
ミス対策には“自分用チェックリスト”が効く
【おすすめ】
- 「符号ミスしたら✔」など、自分のミス傾向をメモ帳にまとめる
- テスト前はそのリストを見直す
- 解いたあと「毎回同じミスしてないか?」を見返す習慣を
→ ミスの“パターン”を知ることで、次のテストで同じ間違いを防げます。
テストでの失点は、難問よりも簡単な計算ミスで差がつくことが多いのです。符号、分数、括弧――これらの“見逃しがちな落とし穴”を事前に潰しておくことで、確実に点数アップにつながります。
次章では、これまで学んだ等式変形・連立方程式を使って、実際の入試や応用問題にどう立ち向かうかを解説します!
第5章:実践力を鍛える!
入試レベルの応用問題と文章題にチャレンジしよう
等式変形と連立方程式を一通り学んだら、いよいよ本番で活かす「実践力」の出番です。
定期テストや模試、そして入試では、単なる計算ではなく、文章題や図形問題と組み合わせた応用問題が頻出します。この章では、基本をどのように応用問題に繋げていくか、実際の入試レベル問題の例を交えながら解説していきます。
応用①:文章題を方程式で表す
文章題のコツは、「条件を“式に置き換える”スキル」です。読解力だけでなく、「等式変形を使ってxやyの形にする」力が試されます。
【例題】
りんご3個とみかん5個で合計500円。りんご1個がx円、みかん1個がy円のとき、
もう1つの条件があれば連立方程式で解けます。
→ 文中の数量と金額をしっかり「数式化」できるかがカギ。
応用②:速さ・割合・時間などの文章問題
等式変形は、「xについて解けるか」が重要です。入試では速さや時間、割合などが絡んだ式を立て、x=に変形する問題が多く出題されます。
【例題】
時速xkmで2時間進み、時速(x+10)kmで3時間進むと、合計距離が340km。
→ 2x + 3(x+10) = 340
→ xを求める問題に変形し、解く
→ 複雑な文章でも「式を立てて変形」すれば得点できます。
応用③:図形やグラフとの融合問題
関数や図形の面積・周囲の長さに関する問題でも、連立方程式が登場します。
【例題】
2点A(x, y)とB(x+2, y−3)の距離が√13のとき、xとyの関係式を立てて解け。
→ 座標の関係式+連立の計算力が問われる総合問題
応用力をつけるトレーニング法
- 毎週1問、「実戦的な文章題」にチャレンジ
- 過去問を解きながら、どこで等式変形や連立を使えるか分析
- 解いた後は、「どこで式が組みにくかったか」を振り返る
→ 解けたかどうかより「どうアプローチしたか」を大切に!
等式変形と連立方程式は、中学数学のあらゆる単元の“基盤”となる重要分野です。計算だけで終わらせず、「文章から式を立てる力」「解法を選ぶ判断力」「計算の正確性」といった応用力まで高めることで、定期テスト・入試本番でも得点源に変わります。
等式変形と連立方程式を“得点源”に変えるために
等式変形と連立方程式は、中学数学の基礎を支えると同時に、定期テストや入試においても頻出の重要単元です。しかし、式の意味を理解しないまま暗記で進めたり、符号や分数、移項の処理に苦手意識を持ったままだと、得点に結びつかず苦手単元になってしまいます。
今回のコラムでは、まず「なぜつまずくのか」を分析し、よくあるミスや勘違いのパターンを明らかにしました。そのうえで、ミスを防ぐための「型化された解き方」、代入法と加減法の使い分け、計算ミスを防ぐチェックポイントを整理しながら、最終章では入試問題や応用問題での実践活用法まで紹介しました。
等式変形や連立方程式を本当に身につけるためには、ただ正解を出すだけでなく、「自分なりの解き方の型」と「ミスを減らす工夫」が必要です。また、文章題や図形問題と連動させて、式の意味を読み取る力を伸ばすことができれば、応用問題でも確実に差がつく“得点源”へと変わります。
計算が得意でない人こそ、型と手順を大切にして「解ける自信」を育てていくことが、今後の数学力全体を底上げする近道です。
今日から少しずつ、自分に合った学習法で、
等式変形と連立方程式を味方にしていきましょう!
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