中学理科|化学電池を完全マスター!定期テスト&入試で得点源にする6ステップ




電気を生む“魔法の反応”

化学電池の世界へようこそ!


「スマホも動かないし、ゲームもできない!電池が切れた!」

そんな経験、誰でもありますよね。私たちの生活は、いたるところで“電池”の力に支えられています。懐中電灯、リモコン、時計、さらには車のエンジン始動にも電池が使われています。でも、そもそも電池ってどうやって電気をつくっているんでしょう?

実は、電池の中では目には見えない化学反応が起こり、その反応によって電子(でんし)が流れ出しています。この「化学反応で電気を生み出すしくみ」をもつもの――それが、今回学ぶ 「化学電池」 です。


18世紀のイタリアで、ある科学者が偶然この“魔法の反応”を発見しました。

その名はアレッサンドロ・ボルタ。彼がつくった世界初の電池は「ボルタ電池」と呼ばれています。銅板と亜鉛板の間に食塩水をしみこませた紙をはさみ、何枚も重ねるだけ。それなのに、電流が流れ、電気を生み出すことができたのです。

これが、今日のスマホやパソコンの電源の“ご先祖さま”ともいえる発明でした。


このボルタ電池をきっかけに、人々は「化学反応で電気を取り出せる」ことを知りました。その後、改良を重ねて生まれたのが、みなさんが理科の教科書で習うダニエル電池です。そして、乾電池・燃料電池・リチウム電池など、現代の便利な電池へと発展していきました。

つまり、化学電池の学習=電気エネルギーの原点を学ぶこと。ここをしっかり理解すると、「電子の流れ」「酸化と還元」「エネルギーの変換」など、中学理科の大切な単元が一気につながります。

しかも、定期テストや入試でも毎年のように出題される“超重要テーマ”なんです。


このコラムでは、化学電池の基本から、ボルタ電池ダニエル電池のしくみ、そして実際に出題されるテスト問題の対策まで、「6ステップ」でやさしく・ていねいに解説していきます。

理科がちょっと苦手でも大丈夫。電子の動きをイメージしながら読めば、きっと「なるほど!」が増えていくはずです。

では――さっそく次の章で、化学電池の基本しくみを見ていきましょう!






第1章:化学電池の基本をおさえよう

電気を生むしくみとは?

「電池があると電気が流れる」

――それは知っていても、なぜ化学反応で電気ができるのか? と聞かれると、意外と答えにくいですよね。

この章では、化学電池の「中で何が起きているのか」を、イメージでつかみながら基本を整理していきましょう。

電池と化学電池のちがいを知ろう

まずは言葉の整理から。

「電池」とは、化学反応などによって電気を生み出す装置のこと。その中でも、化学反応を利用して電気をつくるものを特に「化学電池(chemical cell)」と呼びます。

たとえば、私たちがよく使う乾電池やボタン電池。これらはすべて化学電池の仲間です。内部では金属や液体が反応し、電子を発生させています。

つまり、化学電池とは――

化学エネルギー → 電気エネルギー に変える“変換装置”なのです。

化学電池の3つの基本部品をおさえよう

化学電池は、大きく3つの部分からできています。

  • ・−極(マイナス極):電子を出す金属

  • ・+極(プラス極):電子を受け取る金属

  • ・電解液:イオンが通る液体

この3つがセットになると、電子が流れる“道”ができます。電子は「−極 → +極」へと流れ出し、その流れが電流になります。

ここで注意したいのは、

電子の流れる向きと、電流の向きは逆!

電子はマイナスからプラスへ動くのに対し、電流はプラスからマイナスへと流れると決められています。この部分はテストでよく出る“ひっかけポイント”です。

電子はなぜ動くの?― 金属の性質と反応の力

では、なぜ電子が勝手に動くのでしょう?

その答えは「金属の性質のちがい」にあります。金属の中には、「電子を放しやすい」ものと「受け取りやすい」ものがあります。

たとえば、亜鉛(Zn)は電子を放しやすく銅(Cu)は電子を受け取りやすい金属です。

この2つを電解液につけて導線でつなぐと、亜鉛から銅へ電子が流れ、電流が生まれます。これが化学電池の基本のしくみです。

つまり、

「電子を出す金属」と「電子を受け取る金属」を組み合わせる

→ 電子の流れが生まれ、電気ができる!

ということですね。

化学電池の中では、金属の“性格のちがい”が電子の流れを生み出しています。

  • 電子を出す側が「−極」

  • 電子を受け取る側が「+極」

  • その間をイオンが行き来できるようにするのが「電解液」

この3つがそろってはじめて、電気エネルギーが発生します。

次の章では、いよいよ化学電池の原点「ボルタ電池」を見ていきましょう。世界で初めて“化学反応で電気を生み出した”その仕組みを、図で分かりやすく学びます!






第2章:化学電池の始まり

ボルタ電池とその発展

私たちが当たり前のように使っている乾電池。その原点は、今から200年以上も前のヨーロッパで誕生しました。それが「ボルタ電池」です。

この発明によって、人類は「化学反応から電気を取り出す」という革命的な一歩を踏み出しました。

この章では、ボルタ電池がどのようにして生まれ、どんなしくみで電気を生み出していたのかを見ていきましょう。

ボルタが挑んだ「電気の正体」

18世紀後半、イタリアの科学者ボルタは、当時注目を集めていた「ガルバーニのカエル実験」に興味を持ちました。ガルバーニは、カエルの脚に金属を触れさせるとピクッと動くことを発見し、「動物の中に電気がある」と考えました。

しかしボルタは、「電気は動物ではなく、金属同士の組み合わせから生まれるのでは?」と考えます。彼は銅板と亜鉛板という2種類の金属を、食塩水をしみこませた布をはさんで交互に重ねていきました。

すると――電気が流れたのです。これが、世界で初めて“連続的に電気を取り出すことができる装置”、ボルタ電池の誕生でした。


🧠 ポイント

電気をつくるのは「生き物」ではなく「化学反応」であることを示した、歴史的な大発見!

ボルタ電池のしくみを見てみよう

ボルタ電池は、「銅板(+極)」と「亜鉛板(-極)」を交互に重ね、その間に「食塩水を含ませた布」をはさむ構造になっています。

  • ・亜鉛板(-極)では、亜鉛が電子を放出して溶け出します。

  • ・銅板(+極)では、電子を受け取る反応が起こります。

  • ・そして、電子は亜鉛から銅へと流れることで電流が生まれます

つまり、「金属の種類の違い」+「電解質(水溶液)」の組み合わせが、化学電池の基本原理なのです。

ボルタ電池の問題点と改良

ボルタ電池は画期的な発明でしたが、実は欠点も多くありました。

  • ・食塩水の液がすぐに乾くため、長時間使えない

  • ・電気の強さが安定しない

  • ・気体(水素)が発生して電極を覆い、電流が弱まる(=分極

このような欠点を改良するために、さまざまな「新しい電池」が登場しました。「ダニエル電池」や「グローブ電池」など。ボルタ電池は“はじまり”に過ぎず、この後の電池の発展を支えた重要な土台だったのです。

ボルタ電池は、「化学反応が電気を生み出す」ことを初めて証明した、まさに歴史的な発明でした。この発見をきっかけに、人類は“電気をつくる”という技術を手に入れます。現代の乾電池やリチウム電池まで、その原理はすべてボルタの発想からつながっているのです。

💡チェック!

  • ・ボルタ電池のしくみは「金属+電解質+電子の流れ」

  • ・化学電池の出発点は、200年前のボルタの挑戦から始まった!






第3章:ダニエル電池を完全理解

イオンと電子の動きを見える化!

ボルタ電池の登場によって、「化学反応から電気を取り出す」という考え方が広まりました。

しかし、ボルタ電池には“分極(ぶんきょく)”という欠点があり、長時間安定して電気を流すことができませんでした。そこで登場したのが、ダニエル電池です。この電池は、ボルタ電池の弱点を見事に克服し、より安定した電流を生み出せるようになりました。

この章では、ダニエル電池の構造や電子・イオンの動きをわかりやすく解説していきます。

ダニエル電池とは? ― 構造と材料をおさえよう

ダニエル電池は、次の4つのパーツで構成されています。

1️⃣ 亜鉛板(-極)
2️⃣ 硫酸亜鉛水溶液(-極の液)
3️⃣ 銅板(+極)
4️⃣ 硫酸銅水溶液(+極の液)

そして、2つの液の間には「素焼き板」と呼ばれる仕切りが置かれています。この仕切りは、液が直接混ざるのを防ぎながら、イオンだけを通す“ドア”のような役割を果たします。

電子とイオンの動きを追ってみよう

ダニエル電池で電気が流れるのは、電子の移動イオンの移動が同時に起こるからです。

  • ・亜鉛板(-極)では、
    → 亜鉛が電子を放出して Zn → Zn²⁺ + 2e⁻
    → できた Zn²⁺ は液中に溶け出します。

  • ・銅板(+極)では、
    → 硫酸銅水溶液中の Cu²⁺ が電子を受け取り、 Cu²⁺ + 2e⁻ → Cu
    → 銅板の表面に銅がくっついていきます。

このようにして、電子は外の回路を通って流れ、イオンは液の中を移動してバランスを保っています。結果として、連続的に電流が流れるというわけです。


🧠 ポイント

  • ・電子は金属の外を流れる(=電線を通る)

  • ・イオンは液の中を移動する
     → この2つの動きを区別して理解するのがカギ!

分極を防ぐ仕組みとダニエル電池の強み

ボルタ電池では、反応の途中で発生する「水素の泡(H₂)」が電極表面を覆い、電流を弱めてしまう“分極”が起こりました。

ダニエル電池では、水素が発生しない反応を利用しているため、この問題を解決しています。

つまり、ダニエル電池では、

  • +極で水素ではなく「銅イオン(Cu²⁺)」が電子を受け取る

  • 結果として、水素が発生しない → 電流が安定する!

この改良により、長時間安定して電気を取り出せるようになりました。そのため、ダニエル電池は19世紀の電気実験や電信機などに広く使われたのです。

ダニエル電池は、ボルタ電池の欠点を改良し、「安定した電流」を実現した画期的な電池です。電子は金属の外を、イオンは液の中を移動する――この仕組みを理解すれば、化学電池の本質が見えてきます。

💡チェック!

  • 電子は「外の回路」を流れる

  • イオンは「液の中」を動く

  • ダニエル電池は分極を防ぎ、安定した電流を生む

このしくみは、のちに登場する「乾電池」や「燃料電池」にも応用されていく重要な基礎です。






第4章:酸化と還元の関係を理解しよう

反応式をスッキリ整理!

化学電池のしくみを理解するうえで欠かせないキーワード――それが「酸化」と「還元」です。

電池の中では、「電子を出す反応」「電子を受け取る反応」が同時に起こっています。この2つの反応を正しく整理できるようになると、ダニエル電池の反応式も、定期テストや入試の“差がつく問題”もスッキリ理解できるようになります。

ここでは、「酸化」「還元」「電子のやり取り」を、できるだけわかりやすく整理していきましょう。

まずは用語を整理!酸化と還元って何?

化学では、「酸化」「還元」という言葉をセットで使います。電池の反応を理解するには、この2つの意味をしっかり区別することが大切です。

  • 酸化:電子を失う反応(電子を出す)
  • 還元:電子を受け取る反応(電子をもらう)

つまり、「酸化=電子を出す」「還元=電子をもらう」と覚えましょう。そして、電子を出した物質を「還元剤」、電子を受け取った物質を「酸化剤」と呼びます。

ダニエル電池の反応式を整理しよう

ここまでの知識を使って、ダニエル電池の反応を「酸化・還元」に分けて整理してみましょう。


1) 亜鉛板(-極)で起こる反応

→ 亜鉛が電子を放出して溶ける

Zn → Zn²⁺ + 2e⁻(酸化反応)


② 銅板(+極)で起こる反応

→ 銅イオンが電子を受け取り、銅として付着する

Cu²⁺ + 2e⁻ → Cu(還元反応)


これらを合わせると、電池全体の反応式ができます。

🔹 全体の反応式

Zn + Cu²⁺ → Zn²⁺ + Cu

この1本の式に、「電子の出入り」「イオンの動き」「金属の変化」がすべて含まれています。


🧠 ポイント

  • ・酸化と還元は同時に起こる

  • ・電子は「酸化側(-極)」から「還元側(+極)」へ流れる

  • ・電池の反応は「酸化+還元=電気エネルギー」!

酸化・還元をテストで見抜くコツ

定期テストや入試では、「どちらが酸化?還元?」という問題がよく出ます。

迷ったときは、次の2ステップで考えましょう!!


ステップ①:電子を出しているのはどっち?

  電子を出している金属が「酸化される(=-極)」です。

  → 亜鉛が電子を出してZn²⁺になる → 酸化!

ステップ②:電子をもらっているのはどっち?

  電子を受け取っているイオンが「還元される(=+極)」です。

  → 銅イオンが電子を受け取ってCuになる → 還元!


この2つをセットで覚えれば、ほとんどの問題は瞬時に見抜けます。

ダニエル電池の反応を整理すると、「酸化=電子を出す」「還元=電子を受け取る」という基本ルールがはっきり見えてきます。

💡チェック!

  • ・酸化と還元はペアで起こる

  • ・電子を出すのが酸化、受け取るのが還元

  • ・反応式は「Zn + Cu²⁺ → Zn²⁺ + Cu」

この理解ができると、化学電池だけでなく「酸化・還元」を扱うすべての単元(呼吸、燃焼、電気分解など)にも応用できるようになります。






第5章:いろいろな化学電池を比較!

〜乾電池・鉛蓄電池・燃料電池〜

ダニエル電池で「電気を生み出すしくみ」を理解したところで、次に知っておきたいのがいろいろな化学電池の種類です。身の回りで使われている電池は、どれも「化学反応を利用して電気を取り出す」という原理は同じですが、構造や特徴には大きな違いがあります。

この章では、乾電池・鉛蓄電池・燃料電池の3種類を中心に、しくみや使われ方を比較して整理していきましょう。

乾電池 ― いちばん身近な化学電池

まずは私たちが日常的に使っている「乾電池」から見てみましょう。リモコン、懐中電灯、時計など、ほとんどの家庭で見かけるこの電池も、実はダニエル電池の考え方がベースになっています。

〈マンガン乾電池の構造〉

  • +極:二酸化マンガン(MnO₂)
  • -極:亜鉛(Zn)
  • 電解質:塩化アンモニウム水溶液(NH₄Cl)

反応の流れは次のようになります。

  • 亜鉛(Zn)が電子を放出 → 酸化反応
  • 二酸化マンガン(MnO₂)が電子を受け取る → 還元反応

この反応によって、外部に電流が流れます。


🧠 ポイント

  • ・「乾電池」という名前でも、内部は湿ったペースト状の電解質が入っている

  • ・小型で扱いやすいが、使い切り(充電できない)タイプが多い

鉛蓄電池 ― くり返し使える電池

次に紹介するのは、自動車のバッテリーなどに使われている鉛蓄電池です。乾電池との大きなちがいは、充電して再び使えること。

〈鉛蓄電池のしくみ〉

  • +極:二酸化鉛(PbO₂)
  • -極:鉛(Pb)
  • 電解質:希硫酸(H₂SO₄)

放電時には、鉛と二酸化鉛がそれぞれ反応して硫酸鉛(PbSO₄)になります。
逆に、外部から電気を流す(充電する)と、反応が逆向きに進み、再び元の物質に戻ります。

🔁 つまり!

「化学反応を逆転できる」=充電式の電池ということです。


🧠 ポイント

  • ・電解質に「希硫酸」を使用(入試で頻出)

  • ・放電で電圧が下がると、硫酸の濃度も下がる

  • ・充電すると反応が逆に進み、電池が再生!

燃料電池 ― 未来のエコ電池

最後に紹介するのは、近年注目されている燃料電池です。燃料電池は、これまでの電池のように「内部に反応物をためておく」タイプではなく、外から気体を供給して電気を作るという点が特徴です。

代表的なのが、水素と酸素を使う燃料電池

〈燃料電池の基本反応〉

  • -極(燃料極):水素(H₂)が電子を放出 → 酸化
  • +極(空気極):酸素(O₂)が電子を受け取り → 還元
  • 全体の反応:2H₂ + O₂ → 2H₂O(+電気エネルギー)

このときに生まれるのは水だけ。有害な排出物が出ないため、非常に環境にやさしいのが大きな特徴です。


🧠 ポイント

  • ・電気+水が生まれる「クリーンエネルギー」

  • ・水素自動車などに応用されている

  • ・将来のエネルギー技術としても注目度が高い!

3種類の化学電池を比べると、それぞれの特徴が見えてきます!!

乾電池 :小型、使い切り   【例)家庭用製品】

鉛蓄電池:充電で再利用可   【例)自動車バッテリー】

燃料電池:クリーン、持続供給型【例)水素自動車】

💡チェック!

  • ・電池は「酸化と還元」を利用して電気を生み出す

  • ・乾電池=使い切り、鉛蓄電池=充電式、燃料電池=補給式

  • ・各電池の構造と反応物はテストでも頻出!






第6章:頻出ポイントとひっかけ対策まとめ

これまでの章で、化学電池の基本からボルタ電池・ダニエル電池、酸化・還元の整理、さまざまな電池の特徴まで学びました。

しかし、学んだ知識をそのまま定期テストや入試に活かすには、出題されやすいポイントひっかけ問題のパターンを押さえることが大切です。

この章では、中学理科のテストで絶対に得点源になる内容をまとめ、実践的に整理していきます。

頻出ポイント① ― 電極・極性・電子の流れ

化学電池では、次の3つはテストで必ずと言っていいほど出ます。

1️⃣電子の流れの方向

  • 電子は「−極(亜鉛など) → +極(銅など)」に流れる

  • 注意:電流の向き(+極 → −極)は逆

2️⃣酸化・還元の関係

  • 電子を出す側が酸化(=−極)

  • 電子を受け取る側が還元(=+極)

3️⃣電解液の役割

  • 電子は金属の外を通るが、イオンは液の中を移動して回路を完成させる

頻出ポイント② ― 電池の種類と特徴

テストでは「電池の種類のちがい」を問う問題も多いです。特に覚えておくべき比較ポイントは次の通りです。

乾電池 →電極:Zn/MnO2、電解液:塩化アンモニウム、充電✕、小型・使い切り

鉛蓄電池→電極:Pb/PbO2、電解液:希硫酸、充電〇、自動車

燃料電池→電極:H2/O2、充電△、クリーン、水素自動車


🧠 ポイント

  • ・「充電できるかどうか」を押さえる

  • ・電極・電解液の組み合わせはテスト頻出

  • 燃料電池は水だけが生成されることも覚えておく

ひっかけ対策 ― 分極・電子の向き・酸化還元

テストでよくある“ひっかけ問題”は次の3つです。

1️⃣電子と電流の向きを逆に答える問題

  • 電子は−極→+極

  • 電流は+極→−極

  • → 逆に書かないよう注意!

2️⃣ 酸化還元の混乱

  • 「電子をもらう=酸化?」など誤答しやすい

  • 覚え方:酸化=電子を出す、還元=電子をもらう

3️⃣ 分極の知識問題

  • ボルタ電池では水素が発生 → 電流が弱まる(分極)

  • ダニエル電池では銅イオンで分極防止

  • → 分極の仕組みのちがいを押さえる

定期テスト・入試での攻略法

  • 反応式は酸化・還元のペアで整理

  • 電子の流れとイオンの動きを同時に確認

  • 電池の種類や特徴は表にまとめて覚える

  • 「充電できる?できない?」をチェック

  • 問題文の「電子の流れ」「電流の向き」に注意

この5つを意識すれば、化学電池はテストで必ず得点源になります!

ここまで学んだことを整理すると、化学電池のテスト対策は次の3つに集約できます。

1️⃣ 電子の流れ・酸化還元・イオンの動きを整理する
2️⃣ 電池の種類・構造・充電の可否を覚える
3️⃣ ひっかけポイント(電子と電流の向き・分極・酸化還元)を押さえる

💡 チェック!

この3つができれば、定期テスト・入試の化学電池問題は確実に得点源になります。次回以降のテストで迷ったら、まずこのまとめ表を思い出してみましょう!






第7章:差がつく応用問題にチャレンジ!

化学電池の基礎から、ボルタ電池・ダニエル電池、酸化・還元の整理、電池の種類まで学んできました。ここからは、入試で差がつく応用問題に挑戦してみましょう。

問題を通して、「電子の流れ」「酸化還元の整理」「電池の特徴」を総合的に使う力を養うことが目的です。

これに慣れると、難しい問題でも落ち着いて解けるようになります。

電極の材質と電流の向き

問題例

ある電池の−極に亜鉛板、+極に銅板を使ったとき、電子の流れる方向と電流の向きを答えなさい。


解説

  • 電子は「−極→+極」に流れる → Zn → Cu

  • 電流は「+極→−極」に流れる

  • このとき、亜鉛が酸化、銅イオンが還元


ポイント

  • 電子と電流の向きを逆に答えないように注意

  • 入試では「酸化・還元」をセットで確認する問題が多い

電池の電圧と種類の判断

問題例

次の特徴から電池の種類を答えなさい。

  • 電極:Pb/PbO₂

  • 電解液:希硫酸

  • 充電可能


解説

  • 充電できる → 蓄電池

  • 電極と電解液の組み合わせ → 鉛蓄電池

  • +Point 放電するとPbとPbO₂がPbSO₄になる


🧠 ポイント

  • 電極・電解液・充電の可否は入試頻出の組み合わせ問題

  • 表を作って整理すると解きやすい

反応式から電子の移動を考える

問題例

次の反応式のうち、酸化・還元を正しく判断しなさい。

Zn + Cu²⁺ → Zn²⁺ + Cu


解説

  • Zn → Zn²⁺ + 2e⁻ → 酸化(電子を出す)

  • Cu²⁺ + 2e⁻ → Cu → 還元(電子をもらう)

  • 電子はZn→Cuに流れる


ポイント

  • 反応式を見て酸化還元を整理する

  • 電池の極性や電子の流れとセットで考える

分極や特殊条件のひっかけ

問題例

ボルタ電池で長時間使ったときに電流が弱まる理由を答えなさい。


解説

  • ボルタ電池では+極に水素が発生 → 電極表面を覆う

  • 電子の流れが妨げられる → 分極

  • +Point ダニエル電池では銅イオンが電子を受け取るため分極なし


ポイント

  • 分極の仕組みを押さえると入試のひっかけ問題を回避できる

入試レベルの応用問題は、これまで学んだ知識の組み合わせ問題です。

💡 攻略のコツ

1️⃣ 電子の流れ・電流の向き
2️⃣ 酸化・還元の整理
3️⃣ 電池の種類・構造・充電の可否
4️⃣ 分極や特殊条件の理解

これらのポイントを整理して問題に取り組めば、化学電池は入試で差がつく得点源になります。実際に図を描きながら反応の流れを確認すると、さらに理解が深まります。






化学電池を「得点源」にするために覚えるべきこと3つ


化学電池は、ただ覚えるだけではなく、「しくみを理解して使える知識」にすることが大切です。

このコラムでは、ボルタ電池・ダニエル電池・乾電池・鉛蓄電池・燃料電池などの構造や反応、酸化・還元の整理、電子の流れとイオンの動きまでを詳しく解説してきました。その知識をもとに、テストや入試で差がつくポイントを押さえれば、化学電池はまさに得点源になります。

では、化学電池を得点源にするために、まず覚えてほしいことを3つにまとめます。

電子とイオンの流れを正しく理解する

電池では、電子は金属の外を、イオンは液の中を移動することを忘れないでください。

電子は−極から+極へ流れ、酸化・還元の反応が連動していることを押さえるだけで、反応式や電極の極性、電流の向きが自然と理解できるようになります。

テストでは、電子と電流の向き、酸化と還元の組み合わせを問われる問題が頻出です。ここを正確に理解しておくことが、得点の安定につながります。

電池の種類と特徴を整理する

乾電池・鉛蓄電池・燃料電池など、身近な電池の違いを整理して覚えましょう。

  • 乾電池:小型・使い切り

  • 鉛蓄電池:充電可能・自動車など

  • 燃料電池:水素+酸素でクリーンに電気を生む

充電の可否、電極や電解液の組み合わせ、生成物の違いなどを表にまとめると、テストでも瞬時に答えられるようになります。

ひっかけポイントを知り、反応式で整理する

入試では、分極のしくみや電子と電流の向きの逆表記、酸化・還元の混乱など、ちょっとしたひっかけが出題されます。反応式を「酸化・還元のペア」として整理する習慣をつけると、複雑な問題でも落ち着いて解けるようになります。

図や表を活用して整理すると、理解がより深まり、応用問題にも強くなります。


 

化学電池は、原理をしっかり理解すれば、決して難しくありません。

電子の流れ、酸化・還元、電池の種類と特徴をひとつひとつ整理して覚えることで、定期テストや入試で確実に得点できます。最初は少し複雑に感じるかもしれませんが、図を描きながら反応の流れを確認したり、表で特徴を整理することで、理解がぐんと進みます。

そして何より、「理解したら覚えなくても思い出せる」状態にすることが重要です。今日学んだことを繰り返し確認しながら、自分で図や表にまとめることで、化学電池は得点源になります。

さあ、次のテストでは、

自信を持って「化学電池の問題は得意だ!」と言えるように、

このまとめを活用してください。

一歩ずつ着実に学んでいけば、

化学電池はあなたの強力な武器になります!




 

 

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