【中2理科】定期テスト&入試対応の勉強法|化学反応式が得意になる!
「化学反応式」が苦手な中学生へ!
ー コツさえ掴めば得点源になる ー
中学理科の中でも、「化学反応式」が苦手という声はとても多く聞かれます。「式のバランスが合わない」「覚えたつもりでもテストで出ると書けない」など、特に計算や記号の扱いに苦戦する生徒が目立ちます。
しかし、実は化学反応式はルールと整理の仕方を押さえれば、確実に点が取れる単元でもあります。
テストや入試で頻出の反応式はある程度決まっており、出題パターンにも特徴があります。にもかかわらず、「なんとなく暗記」で済ませてしまうと、応用問題や少しひねられた問題に対応できず、得点に結びつきません。
この記事では、化学反応式に苦手意識を持つ中学生向けに、
- 「つまずきポイントの整理」
- 「理解を深めるための仕組み解説」
- 「頻出の反応式10選の紹介」
- 「覚え間違いの防止法」
- 「入試対応の勉強法」
まで、5章にわたってわかりやすく解説します。
「なんとなく覚える」から「意味を理解して使いこなす」へ。

第1章:なぜつまずく?
ー 化学反応式が苦手になる原因とその本質 ー
原子・分子・イオンのイメージ不足が根本原因
化学反応式は、「ある物質が化学変化によって別の物質に変化する様子」を、記号で簡潔に表すものです。
しかし、その中に登場する「H₂」「O₂」「NaCl」などの物質記号は、それぞれ原子や分子の集合体を表しており、見えない世界を想像する力が求められます。
→ つまり、単なる記号の置き換えではなく、「実際にどんな変化が起きているか」をイメージしながら理解する必要があるのです。
「バランス調整」でつまずくのは当然
さらに、化学反応式では「反応前と後で原子の数が等しい」=質量保存の法則を守る必要があります。このルールを使って、係数(数字)を使って反応式のバランスを調整するのですが、これが難関。数字を試行錯誤しながら揃える作業に苦手意識を持つ生徒も多いです。
→ ですが逆に言えば、「数をそろえるルール=法則」を知っていれば、誰でも正しく式を書けるようになるのです。
用語と記号の整理不足も混乱のもと
化学反応式では、「反応物」「生成物」「化合」「分解」「酸化」「還元」といった理科用語と、「+」「→」「係数」といった記号のルールの両方を理解しなければなりません。この整理ができていないまま進むと、「とりあえず書いてみた」式が増えてしまい、間違いのもとになります。

第2章:仕組みを理解!
ー 原子・分子・イオンの関係を整理しよう ー
すべての物質は「原子」からできている
原子とは、それ以上分けることができない物質の最小単位です。たとえば、水素(H)、酸素(O)、炭素(C)などがそれに当たります。
→ 化学反応式では、この原子の種類と数を追いかけることが非常に大切です。たとえば「H₂ + O₂ → H₂O」では、「水素原子が2つ」と「酸素原子が2つ」で水ができる…と単純に考えがちですが、実際には水分子H₂Oの形になるように原子の数を調整する必要があります。
原子が集まって「分子」や「化合物」に
同じ種類の原子が複数集まってできるのが「分子」です。酸素(O₂)や水素(H₂)などがその代表例です。また、異なる種類の原子が結びつくと、「化合物」になります。たとえば、水(H₂O)や塩化ナトリウム(NaCl)などです。
→ 反応式を正確に書くためには、「どの物質がどんな原子で構成されているか」を知っておく必要があります。
電子をやり取りしてできる「イオン」
「イオン」は、原子が電子を失ったり受け取ったりして電気的な性質を持つ粒子です。
- ナトリウム(Na)は電子を1つ失って「Na⁺」に
- 塩素(Cl)は電子を1つ受け取って「Cl⁻」に
→ このNa⁺とCl⁻が結びついてできるのが、塩化ナトリウム(NaCl)=食塩です。イオンのやり取りをともなう反応では、「電気の性質」「電荷のバランス」にも注意が必要です。
構成イメージで反応式を見る
たとえば、鉄(Fe)と硫黄(S)が反応して硫化鉄(FeS)になる場合、1:1の割合で結びつくことを理解していれば、式は「Fe + S → FeS」とすぐに書けます。
→ 化学反応式は、ただの記号の暗記ではなく、「粒子のやり取りを視覚的にイメージする」ことで正確に書けるようになるのです。
特に、「物質の構造」や「反応前後で何が変わるのか」をイメージできるようになると、計算や暗記に頼らずとも、論理的に反応式を組み立てることが可能になります。

第3章:頻出反応式10選!
ー テストでよく出る化学反応式まとめ ー
バランス調整の基本ルール
化学反応式では、「反応前と反応後で、すべての原子の数が一致すること」が大原則です。これを質量保存の法則と呼びます。
【例】水の生成:H₂ + O₂ → H₂O (間違い!)
正しくは:2H₂ + O₂ → 2H₂O (Hが4個、Oが2個ずつ)
→ 各原子の数を左右で数え、係数を使って調整しましょう。「分数は使わず、最小の整数でそろえる」が基本ルールです。
テストに出やすい!反応式10選まとめ
以下は中学理科で頻出の代表的な反応式です。必ず書けるように練習しておきましょう!
-
水の電気分解
2H₂O → 2H₂ + O₂ -
酸化銅の還元
2CuO + C → 2Cu + CO₂ -
鉄と硫黄の化合
Fe + S → FeS -
水素と酸素の化合(水の生成)
2H₂ + O₂ → 2H₂O -
炭酸水素ナトリウムの加熱
2NaHCO₃ → Na₂CO₃ + CO₂ + H₂O -
マグネシウムの燃焼
2Mg + O₂ → 2MgO -
塩酸と水酸化ナトリウムの中和
HCl + NaOH → NaCl + H₂O -
塩化アンモニウムの合成
NH₃ + HCl → NH₄Cl -
エタノールの燃焼
C₂H₅OH + 3O₂ → 2CO₂ + 3H₂O -
炭素の燃焼
C + O₂ → CO₂
→ これらの反応式は、「物質名を見て反応式がスラスラ書ける」状態を目指すことが理想です。
暗記+「意味」と「流れ」をつかむ
覚えるだけでなく、それぞれの反応の「どんな変化が起こっているのか?」も理解しておくと、応用問題にも対応しやすくなります。
- 酸素と結びついている → 酸化反応
- 電気を使って分解する → 電気分解
- 酸とアルカリが結びつく → 中和反応
→ このように、反応のタイプ別に整理して覚えると、知識が深まりやすくなります。

第4章:ミスを防げ!
ー 間違いをなくす復習と直しのコツ ー
覚え間違い・書き間違いの典型パターン
【ミス例①】係数のつけ忘れ
✕ H₂ + O₂ → H₂O
〇 2H₂ + O₂ → 2H₂O
【ミス例②】反応物・生成物の逆転
✕ Cu + CO₂ → CuO + C
〇 2CuO + C → 2Cu + CO₂
【ミス例③】分子式のミス
✕ CO₃ → CO₂ ← 炭酸イオンと間違えた!
→ これらは、理解よりも“注意不足”や“曖昧な暗記”からくるミスが多いのが特徴です。
「自分がよく間違える式」を可視化する
ミスを減らす一番の方法は、「自分がどこで間違えやすいか」を把握することです。
【テスト直しの工夫】
- 間違えた反応式は必ずノートに書き直す
- 「なぜ間違えたか」「次はどうするか」を横にメモする
- 間違いの多い式を赤ペンで囲んで強調しておく
→ 自分の“弱点反応式リスト”を作っておくと、テスト前の復習が効率的になります。
正しい書き方の「型」を身につける
毎回の書き方がバラバラだと、記述ミスにつながりやすくなります。
【統一ルール例】
- 化学式は小文字を正確に(CO₂、H₂Oなど)
- 矢印「→」の向きは反応物 → 生成物
- 「+」はスペースを空けて見やすく(H₂ + O₂ → …)
→ 書くたびに「同じパターンで書く」ことで、形式ミスがぐっと減ります。
小テストや一問一答を活用しよう
教科書やワークの巻末にある「用語確認」や「反応式の穴埋め問題」を使って、“瞬時に書けるかどうか”をチェックしましょう。
→ 時間をかけて思い出すのではなく、「反射的に出せる」状態を目指すことがポイントです。

第5章:入試で差がつく!
ー 化学反応式を使った発展問題への対応力アップ法 ー
「反応式+文章題」の融合問題が出る!
入試では、以下のような形式がよく出題されます:
- 化学反応の実験結果を読み取って、反応式を完成させる
- グラフや表と組み合わせた記述問題
- 電気分解・中和・燃焼などの過程と結果をつなぐ問題
→ 単に暗記した反応式を書くのではなく、「文脈から何が起こったかを判断し、それを式に反映させる力」が求められます。
「理解しているか」が答えに表れる
次のような力が入試で得点を左右します。
- どの物質が反応物・生成物かを見極める
- 必要な係数を自分で考えて調整する
- 反応の種類(化合・分解・中和など)を分類できる
→ これらはすべて、「意味を理解して覚えた反応式」がベースにあるからこそ対応できる力です。
過去問とワークで「反応式実践トレーニング」
【おすすめ学習法】
- 入試過去問を使って、文章題に対して自分で反応式を立てる
- 記述問題で「なぜその反応が起きるのか」を説明する練習
- 模試などで出てきた知らない反応式は、必ずその場で整理・暗記!
→ 1つの反応式がいろんな出題形式で使われるので、「1式=1覚え方」ではなく「1式=複数の視点」で捉える習慣が重要です。
直前期は「間違えた式」に絞って復習!
入試前の1週間で全反応式を見直すのは非効率。そこで、「今までに間違えた or 曖昧だった式」を自分でまとめた“反応式ノート”を使って復習範囲を絞ることが得策です。
→ 出題されやすく、かつ自分のミスが多かったものから順に確認しましょう。

まとめ
ー 化学反応式は「理解×整理」で得点源になる! ー
化学反応式は、中学理科の中でも特につまずきやすい単元ですが、一度コツをつかめば確実に得点源にできる分野でもあります。
このコラムが、あなたの理科力アップの一助となれば幸いです!
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